論究
外反母趾における内側縦アーチの荷重による三次元的アライメント変化
渡邉 耕太
1
,
池田 康利
,
鈴木 大輔
,
寺本 篤史
,
鈴木 智之
,
山下 敏彦
1札幌医科大学 保健医療学部理学療法学第二講座
キーワード:
X線CT
,
中足指節関節
,
外反母趾
,
体重負荷
,
三次元イメージング
,
アラインメント
Keyword:
Hallux Valgus
,
Metatarsophalangeal Joint
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Weight-Bearing
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.1241-1245
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016396004
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荷重CTデータを用いて荷重による足アライメントの変化について、手術を行った外反母趾群8足(全例女性、年齢51~74歳、平均年齢62.0歳)と正常足8足(男性3例、女性5例、年齢40~72歳、平均年齢53.6歳)を比較した。方法は非荷重と荷重条件の足部CTデータから画像解析ソフトを用いて三次元骨モデルを構築し、足内側縦アーチを構成する各関節の三次元変位量を両群間で比較した。その結果、1)三次元骨モデルの作製により内側縦アーチを構成する各関節の荷重による三次元的位置変化を可視化できた。2)距舟関節では外反母趾群と正常足群はともに荷重により同方向への動きが生じたが、伸展方向の角度変化は両群間で有意差が認められた。3)楔舟関節は両群間でほぼ同様の動きを示したが、その変位量は小さかった。一方、MTP関節では正常足群に比べ外反母趾群では有意に基節骨が外方移動、外転、外がえししており、内外側方向と内外転方向は荷重によって正常足とは異なる方向に動いていた。以上より、本法は荷重による足のアライメント変化の詳細な分析が可能であり、外反母趾の病態解明、保存治療や手術治療の改良開発に有用と考えられた。
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