循環器薬 使い方プラクティス 疾患別循環器薬の使い方 《心不全》
β遮断薬
絹川 真太郎
1
,
筒井 裕之
1北海道大学 大学院医学研究科・循環病態内科学
キーワード:
Adrenergic Beta-Antagonists
,
徐脈
,
心不全
,
低血圧
,
予後
,
治療成績
,
病勢悪化
,
心室リモデリング
,
Carvedilol
,
肺疾患-慢性閉塞性
Keyword:
Adrenergic beta-Antagonists
,
Bradycardia
,
Heart Failure
,
Hypotension
,
Prognosis
,
Treatment Outcome
,
Disease Progression
,
Ventricular Remodeling
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Carvedilol
pp.487-492
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305819
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収縮機能が低下した慢性心不全に対してβ遮断薬は予後改善効果および左室リモデリング改善効果を有する.本邦で慢性心不全治療に使用可能なβ遮断薬はβ受容体非選択性のカルベジロールとβ1選択性のビソプロロールであり,慢性心不全に対する効果はβ遮断薬のクラス効果ではない.β遮断薬の有効性は用量依存性と考えられており,忍容性が許す限り増量することが推奨されている.β遮断薬導入時や増量時には心不全の増悪や症候性低血圧・徐脈に注意が必要であるが,ごく少量から開始し,副作用をモニターしながら増量すれば多くの場合投与可能である.β遮断薬で治療されていた慢性心不全患者が急性増悪した場合でも,可能な限り継続したまま急性期治療に当たる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013