症例
直腸鏡下粘膜生検で診断し得た好酸球性胃腸炎の1例
阿部 裕樹
1
,
川島 英志
,
松井 亨
,
上原 由美子
,
渡辺 徹
,
阿部 時也
,
佐藤 誠一
1新潟市民病院 小児科
キーワード:
Prednisolone
,
生検
,
喘息
,
腸粘膜
,
直腸鏡法
,
Fluticasone
,
Montelukast
,
テネスムス
,
胃腸炎-好酸球性
Keyword:
Fluticasone
,
Biopsy
,
Asthma
,
Intestinal Mucosa
,
Proctoscopy
,
Prednisolone
,
Montelukast
pp.957-960
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016305973
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症例は10歳男児で、気管支喘息のためフルチカゾン吸入薬を使用中であった。腹痛、食欲不振を訴え、下痢が頻回となり、テネスムスも出現し、嘔吐もみられた。急性胃腸炎と考え、整腸薬の処方で経過を観察した。脂質の摂取を控え消化の良い食事を勧めたところ一時的に嘔吐は治まったが、軽度の間歇的な腹痛が持続した。腹痛が増強し、再び嘔吐が出現し、末梢血中の好酸球がさらに増加していた。便の病理細胞診を施行し、多数の好酸球を認めた。経過、検査所見、アレルギー疾患の既往より好酸球性胃腸炎(EG)の可能性を考えた。直腸鏡検査を施行した。3ヶ所から生検を行い、EGと診断した。プレドニゾロン内服で治療を開始した。臨床症状はなかったが、血液検査にて好酸球数が増加に転じたため、外来治療へ移行した。2週間後よりロイコトリエン受容体拮抗薬であるモンテルカストを併用し、プレドニゾロンを減量した。その後は再燃することなく漸減中止可能であった。モンテルカストは継続しており、その後再発はみられていない。
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