症例
子宮粘膜下筋腫分娩により重篤な貧血をきたしたが救命しえた1例
田川 実紀
1
,
野中 宏亮
,
吉田 智香子
,
柿沼 敏行
,
松田 義雄
,
大和田 倫孝
1国際医療福祉大学病院 産婦人科
キーワード:
ヘマトクリット
,
胸部X線診断
,
Hemoglobins
,
子宮筋腫
,
貧血
,
赤血球輸血
,
子宮筋腫核出術
Keyword:
Anemia
,
Hematocrit
,
Hemoglobins
,
Leiomyoma
,
Radiography, Thoracic
,
Erythrocyte Transfusion
,
Uterine Myomectomy
pp.353-355
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016193036
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48歳(2経妊2経産)。約10年前から子宮筋腫を指摘されていたが定期的受診はしていなかった。今回、持続する凝血塊を伴う性器出血を認め、救急搬送となった。来院時、意識清明であるも、血圧は100/50mmHg、ヘモグロビン値は1.4g/dl、ヘマトクリットは5.4%に低下しており、内診では鶏卵大の子宮筋腫が腟内に認められた。そこで、直ちに濃厚赤血球製剤を輸血しながら全身麻酔下に経腟的に筋腫を核出し、あわせて鉄剤の投与を行なった。その結果、速やかに改善が得られ、手術に伴う合併症や後遺症はみられなかった。尚、摘出した子宮筋腫核は約5cm大で、組織診断では平滑筋腫であった。以上より、子宮筋腫と診断した場合には貧血を来さないためにも定期的な管理が重要であると示唆された。
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