診療
ハイブリッド手術室を用いた両側総腸骨動脈バルーン留置下腹式帝王切開術の有用性について
岡田 麻美
1
,
田中 和東
,
公森 摩耶
,
松木 貴子
,
西沢 美奈子
,
三田 育子
,
西本 幸代
,
梶谷 耕二
,
中村 博昭
,
中本 收
1大阪市立総合医療センター 総合周産期母子医療センター産科
キーワード:
術後合併症
,
手術室
,
前置胎盤
,
癒着胎盤
,
腸骨動脈
,
帝王切開術
,
機器機能不全
,
治療成績
,
バルーン閉塞法
,
静脈血栓塞栓症
,
臓器温存療法
Keyword:
Cesarean Section
,
Equipment Failure
,
Iliac Artery
,
Operating Rooms
,
Placenta Accreta
,
Placenta Previa
,
Postoperative Complications
,
Treatment Outcome
,
Balloon Occlusion
,
Venous Thromboembolism
,
Organ Sparing Treatments
pp.219-224
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016168497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前置癒着胎盤例の帝王切開術は術中大量出血をきたしうる危険な手術の一つであり、近年では、術前に総腸骨動脈balloon occlusion(CIABO)や大動脈balloon occlusionを挿入して止血コントロールを図り、一期的に子宮全摘を行う方法の報告が散見されるが、当センターではハイブリッド手術室においてCIABO留置下に帝王切開を行い、子宮温存を試みている。今回、代表例1例を提示し、本法の手術手技と有用性について報告した。また、これまでにCIABOを使用した10例の手術成績を報告した。ハイブリッド手術室では外科治療と同時にバルーンの位置をリアルタイムに確認できるため、より確実なocclusionが可能であった。CIABOを使用した10例の成績は、CIABO使用以前の症例群に比べて術中出血量が少なく、手術手技が容易であった。それに伴い、子宮全摘の必要性が高いと思われた症例においても、結果として子宮温存しえたケースがあった。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.