特集 骨転移による病的骨折への挑戦
骨転移痛の緩和ケア
余宮 きのみ
1
1前:埼玉県立がんセンター緩和ケア科/現:広島市立広島市民病院緩和ケア科
キーワード:
骨転移痛(cancer-induced bone pain)
,
安静時痛(pain at rest)
,
体動時痛(pain with movement)
Keyword:
骨転移痛(cancer-induced bone pain)
,
安静時痛(pain at rest)
,
体動時痛(pain with movement)
pp.414-419
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002122
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骨転移の痛みのパターンは,持続痛(安静時痛)と突出痛(体動時痛,発作痛)に分けることができる。安静時痛はないが「動いたときだけ痛い」といった体動時痛に対して,やみくもにオピオイドを増量していくと眠気が増してしまう。眠気が強くなると,普段セルフケアとして行っていた痛みの出にくい動き方もできなくなり,かえって体動時痛が増すことになる。転倒するようなことになれば病的骨折や麻痺を招くという最悪のシナリオになる。病的骨折や麻痺のリスクの低減のためには,体動時痛に対しては集学的な治療を行う必要がある。安静時痛には鎮痛薬を十分活用する一方で,体動時痛には鎮痛薬は補助的な役割と心得て対応することが重要である。本稿では,主に骨転移痛に対する薬物療法について述べる。

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