特集 整形外科の救急外傷
整形外科医にも知っておいてほしい大量出血に対する止血戦略-生命予後の先の機能予後を目指すために-
今本 俊郎
1
1埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター
キーワード:
大量輸血プロトコル(massive transfusion protocol;MTP)
,
hemostatic resuscitation
,
フィブリノゲン(fibrinogen)
Keyword:
大量輸血プロトコル(massive transfusion protocol;MTP)
,
hemostatic resuscitation
,
フィブリノゲン(fibrinogen)
pp.582-589
発行日 2024年6月19日
Published Date 2024/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001801
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外傷死の三徴においてわれわれが積極的に是正できるのは凝固異常である。凝固異常に早期に気が付くための方策が肝要であり,血漿フィブリノゲン値<150 mg/dLは1つの臨界点である。保険適用上はFFP(fresh frozen plasma)の投与が唯一の解決策であるが,フィブリノゲン製剤やクリオプレシピテートの投与も欧州では推奨されており,わが国での適応拡大が望まれる。このような機能的止血がうまく達成されることで手術やIVR(interventional radiology)といった機械的止血が活きてくる。重症外傷の生命予後・機能予後の向上には高いレベルでこの両輪が回っていくことが要求される。
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