特集 脂質代謝異常と循環器疾患
診る 脂質異常症と冠動脈疾患 わが国の疫学研究から
平田 あや
1
,
岡村 智教
1慶応義塾大学 医学部衛生公衆衛生学
キーワード:
HDL Cholesterol
,
LDL Cholesterol
,
Triglycerides
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
脂質異常症
,
動脈硬化症-アテローム性
,
発生率
,
臨床研究・疫学研究
,
基準値
,
リスク評価
,
低コレステロール血症
,
吹田市
Keyword:
Coronary Disease
,
Cholesterol, HDL
,
Cholesterol, LDL
,
Reference Values
,
Risk Factors
,
Triglycerides
,
Incidence
,
Epidemiologic Studies
,
Risk Assessment
,
Atherosclerosis
,
Dyslipidemias
pp.612-618
発行日 2018年7月9日
Published Date 2018/7/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018310378
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<Point>1 低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:LDL)コレステロール140~160mg/dL以上から冠動脈疾患のリスクが上昇する。スタチンなどでLDLコレステロールをコントロールできたら、次の管理目標はnon-HDLコレステロールとなり、トリグリセライド(triglyceride:TG)の管理を検討する。2 高比重リポ蛋白(high density lipoprotein:HDL)コレステロールの低値は動脈硬化性疾患のリスクを上昇させるが、治療のターゲットとすべきかどうかは明確ではなく、並存するLDLコレステロールやTGの値に着目して治療方針を決定する。高HDLコレステロール血症の一部には機能低下型のものが混在している可能性があり、既往歴や家族歴を慎重に聴取し、動脈硬化が進展している徴候がないか確認する。3 LDLコレステロールや総コレステロール(total cholesterol:TC)が低い群で冠動脈疾患以外のいくつかの疾患の死亡率が高くなることが観察されるが、多くはコレステロール測定時に保有していた疾患の影響による「因果の逆転」で説明できる。
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