特集 震災時における循環器医療を改めて考える
治す 災害後の精神保健医療活動の重要性
矢田部 裕介
1
1熊本こころのケアセンター
キーワード:
災害対策
,
精神保健サービス
,
精神疾患
,
医療的患者移送
,
緊急避難所
,
熊本地震
Keyword:
Mental Disorders
,
Disaster Planning
,
Mental Health Services
,
Patient Transfer
,
Emergency Shelter
pp.1177-1180
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060340
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
災害時に精神保健医療活動が欠かせない理由がいくつか挙げられる。まず、災害弱者とされる精神疾患を抱えた被災者への精神医療支援が必要である。そして、災害に伴うストレスやトラウマは不特定多数の住民に心理的影響を及ぼすため、地域住民全体へのメンタルヘルスケアが必要となる。また、災害時の精神保健医療活動は、災害そのものによってショックや混乱をきたす時期から、不自由な生活を強いられる避難所や仮設暮らしの時期まで、ニーズの変化を伴いながら年余にわたり持続する。被災者への精神保健医療活動は災害が起こるたびに進歩を遂げてきた。東日本大震災におけるこころのケアチーム活動を踏まえ、災害派遣精神医療チーム(disaster psychiatric assistance team:DPAT)が誕生し、平成28年熊本地震ではDPATの派遣が全国規模で展開された。本稿では、災害精神保健医療支援の進歩過程を概説するとともに、熊本地震におけるDPAT活動の経緯をふりかえることで、災害後の精神保健医療活動について論じたい。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.