これからの高齢者医療-診断・治療・予防への対応
《高齢者と地域医療》高齢者の災害医療
飯島 勝矢
1
1東京大学 大学院医学系研究科加齢医学
キーワード:
災害対策
,
精神障害
,
高齢者保健医療サービス
,
チーム医療
,
在宅医療
,
緊急避難所
,
東日本大震災
Keyword:
Mental Disorders
,
Disaster Planning
,
Health Services for the Aged
,
Patient Care Team
,
Emergency Shelter
pp.1250-1256
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012088966
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・災害発生から数日以内の急性期では、高齢者は若年者と同様に外傷性疾患による死亡が多いが、亜急性期では従来から罹患する慢性疾患(高血圧、糖尿病、脳心血管疾患)の悪化、胃潰瘍、呼吸器感染症などが起こりやすく、ストレスや生活環境の悪化を背景として起こる震災関連死をいかに防止するかが鍵となる。・慢性期にはサバイバー・ギルトなどによる精神面の不安定さが目立つようになるため、孤独死や閉じこもり、無刺激による認知機能低下や廃用(生活不活発病)を予防しなければならない。精神面の管理をしながら、慎重に自立支援を行っていく必要がある。・また、要介護高齢者の早期トリアージも重要であり、これらを円滑に行うためには多職種による広域医療連携の構築が必須である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011