特集 心筋性状・機能診断を考える-病理と画像が意味するもの-
識る 病態を理解するための知識 線維化 間質はどのような影響を与えているか
今中 恭子
1
,
廣江 道昭
1三重大学 大学院医学系研究科修復再生病理学
キーワード:
Integrins
,
細胞外基質
,
MRI
,
心臓
,
瘢痕
,
マクロファージ
,
間質細胞
,
Fibrillar Collagens
,
筋線維芽細胞
,
膠原線維
,
心筋線維症
Keyword:
Cicatrix
,
Extracellular Matrix
,
Heart
,
Macrophages
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Integrins
,
Stromal Cells
,
Fibrillar Collagens
,
Myofibroblasts
pp.939-945
発行日 2017年9月9日
Published Date 2017/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017373893
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心臓は,心筋細胞のほか,それよりはるかに多い非筋細胞と細胞外マトリックスからなる間質によって構成される。主に間質細胞の産生するコラーゲンなどの細胞外マトリックスは,物理的な支えとなるだけでなく細胞機能を制御し,心臓のホメオスタシス維持や効率的な心機能調整に重要な役を演じる。最近のモダリティの進歩に伴って心臓の間質が注目されるようになり,細胞外マトリックス(extracellular matrix;ECM)の過剰沈着,特に間質のコラーゲン線維の増加を指す「線維化」が,心筋肥大とともに心機能障害に大きな影響を及ぼす要因として,新たな診断対象,治療標的と考えられるようになってきた。本稿では,正常な心臓間質を構成する分子,細胞について概説し,組織傷害に対する不適切な間質間質反応としての線維化の分子メカニズムについて,病態生物学的な最新の考え方を紹介する。
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