特集 心筋性状・機能診断を考える-病理と画像が意味するもの-
診る 診断に辿り着くまでの方法 心エコー 心機能と心筋性状がここまでわかる
山本 一博
1
1鳥取大学 医学部病態情報内科
キーワード:
心エコー図
,
鑑別診断
,
アミロイドーシス-心臓
,
サルコイドーシス-心臓
,
心Fabry病
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Echocardiography
,
Fabry Disease, Cardiac Variant
pp.892-897
発行日 2017年9月9日
Published Date 2017/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017373887
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心筋疾患において,最終的に問題となる表現型の1つが心機能障害である。この心機能障害を招いている大きな要因の1つが組織学的な変化である。線維化,心筋細胞肥大,炎症,浮腫,(異常)蛋白や脂質の過剰蓄積など多岐にわたる。心エコーは被ばくがなく簡便に施行できる画像診断法であり,心機能や血行動態の評価が可能である。これに加え,探触子から発した超音波ビームは,組織の特性に応じて異なる反射波となって探触子に受信されているため豊富な情報を含んでいると考えられ,心筋組織性状も評価が可能になるのではないかと期待され,過去には超音波心筋組織性状診断に関する研究が多く行われた。しかし経胸壁心エコー法というアプローチでは多くの限界があるうえ,今ではMRIなどほかのモダリティが組織性状をかなり正確に反映することが明らかにされていることもあり,心エコー検査のなかで組織性状評価までを行うことはルーチンではなされていない。本稿では,いくつかの心筋症を取り上げ,その超音波診断について概説する。
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