特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
治す 着用型自動除細動器(WCD)、完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)
岡村 英夫
1
1国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門不整脈科
キーワード:
機器のデザイン
,
心電図
,
電気的除細動
,
不整脈
,
臨床試験
,
植込み型除細動器
,
除細動器
Keyword:
Arrhythmias, Cardiac
,
Clinical Trials as Topic
,
Equipment Design
,
Electric Countershock
,
Electrocardiography
,
Defibrillators, Implantable
,
Defibrillators
pp.192-198
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130946
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植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)は突然死の 予防に有効な確立された不整脈治療デバイスであるが,侵襲を伴う治療かつ高額 医療でもあり,適応に迷う症例も存在する。経静脈リードを挿入するためのアク セスも必要であるし,感染した場合に必要となるリード抜去も上大静脈の裂傷に よる大出血など致命的な合併症の危険を伴う。こうした従来のICDの弱点を補う ような新しいデバイスが登場してきた。着用型自動除細動器(wearable cardioverter defibrillator;WCD)はICDの適応が確定するまでのつなぎとして 自動体外式除細動器(automated external defibrillator;AED)と従来のICD の中間的役割を担う非侵襲デバイスであり,完全皮下植込み型除細動器 (subcutaneous implantable cardioverter defibrillator;S-ICD)は経静脈 リードの留置が不要な新たなシステムとして期待されるnew deviceである。た だし,WCD,S-ICDともに弱点も有しており,長所と限界を知り,どのような 症例にこれらを適応すべきかについて十分理解しておく必要がある。
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