特集 症候別画像診断プロトコル
3T MRI独特のシーケンス 拡散テンソル画像
田岡 俊昭
1
1名古屋大学 医学部放射線科学教室
キーワード:
コンピュータ画像処理
,
MRI
,
拡散テンソル画像
Keyword:
Image Processing, Computer-Assisted
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Diffusion Tensor Imaging
pp.159-161
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2019184046
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拡散画像では,motion proving gradient (MPG)を印加することで拡散の成分を描出す る。生体内では細胞膜などの構造により,方向 による拡散の違いがあり,異方性拡散とよばれ る。このような三次元的な分布を示す拡散の解 析にはテンソルという概念が必要となる。テン ソルとはベクトルの概念を拡張したもので,生 体内の異方性拡散に応用する場合には3×3の行 列式で表される拡散楕円体で評価する。拡散楕 円体の性状を評価する指標として,みかけの拡 散係数(apparent diffusion coefficient;ADC) と拡散異方性(fractional anisotropy;FA)が用 いられることが多い。拡散テンソルから神経線 維の走行を推定する方法が拡散テンソルトラク トグラフィであり,今日での臨床での拡散テン ソル法の主な用途となっている(図1)。錐体路 などの重要な白質線維路の損傷を防ぐための術 前の計画画像として用いられることが多いが, 疾患によっては診断の助けにもなりうる(図2)。
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