連載
頭蓋内病変の画像所見スペクトラム(第3回) 脳腫瘍MIMIC 脳腫瘍との鑑別が必要な脳実質内腫瘤性病変
飯島 健
1
,
徳丸 阿耶
,
下地 啓五
,
亀山 征史
1東京都健康長寿医療センター 放射線診断科
キーワード:
MRI
,
腫瘤
,
鑑別診断
,
脱髄疾患
,
脳梗塞
,
脳腫瘍
,
血管炎-中枢神経系
Keyword:
Brain Neoplasms
,
Demyelinating Diseases
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Vasculitis, Central Nervous System
,
Brain Infarction
pp.124-127
発行日 2019年1月26日
Published Date 2019/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2019084909
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脳腫瘍の概説
脳腫瘍はWHO 2016分類にて130種類以上の病理組織型がある多彩な疾患概 念である。わが国での発症数は年間1万人強と比較的まれな疾患であるが,そのな かでも日常臨床で遭遇する病型は,原発性脳実質内腫瘍では神経膠腫と悪性リン パ腫が大半を占める。 これらの原発性脳腫瘍(特にびまん性星細胞腫,乏突起膠腫,一部の悪性リンパ 腫)のMRI所見は,しばしば周囲の脳と明確な境界をもたず,浸潤性に進展し,T2 強調像やFLAIR像にて境界不明瞭な高信号域として観察される。これらの画像所 見は非特異的であり,脳血管障害,脱髄,炎症などの非腫瘍性病変との鑑別が問 題となる。【症例1】(図1)は退形成性星細胞腫,【症例2】(図2)は乏突起膠腫の症例 であるが,非腫瘍性疾患との鑑別は容易ではない。 本稿では,特に日常診療で比較的高頻度に遭遇すると思われる“成人のT2強調像 にて高信号を呈する脳腫瘍のMIMIC”を中心に,若干の知見を加え概説する。
Copyright© 2019 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.