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頭蓋内病変の画像所見スペクトラム(最終回) リンパ球性下垂体炎MIMIC
豊田 圭子
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 放射線部
キーワード:
下垂体卒中
,
下垂体腫瘍
,
MRI
,
鑑別診断
,
腺腫
,
ヒト成長ホルモン
,
下垂体炎-自己免疫性
Keyword:
Autoimmune Hypophysitis
,
Adenoma
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pituitary Apoplexy
,
Pituitary Neoplasms
,
Human Growth Hormone
pp.1196-1201
発行日 2019年10月26日
Published Date 2019/10/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2020039305
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リンパ球性下垂体炎の疾患概念
リンパ球性下垂体炎は下垂体組織へのリンパ球を主体とした細胞浸潤により惹起さ れる自己免疫性の非感染性の慢性炎症性疾患である。病理学的に非特異的な炎症細胞 浸潤を認める。前葉の腺下垂体を主体にするもの(adenohypophysitis),後葉およ び漏斗といった,神経下垂体を主体にするもの(infundibuloneurohypophysitis), 両方を侵すもの(panhypophysitis)に分けられる。腺下垂体炎は妊婦や産褥期の女 性に好発しやすいとされる。漏斗下垂体後葉炎では,尿崩症があり,後葉から下垂体 柄の腫大をきたす。この疾患は小児から成人男性まで幅広い年齢層に発症する。橋本 病,慢性関節リウマチ,Sjögren症候群などの自己免疫疾患では高率に罹患率が高い とされている。
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