特集 最近のがんの核医学診療 その進歩とこれから
新規RI治療薬の保険適用を目指した医師主導臨床試験の現状 131I MIBG標的アイソトープ治療例を含めて
吉永 恵一郎
1
1放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部核医学診断・治療チーム
キーワード:
ヨウ素放射性同位体
,
医師
,
褐色細胞腫
,
放射線療法
,
臨床試験
,
神経内分泌腫瘍
,
Iobenguane
,
医薬品開発
,
アメリカ
,
日本
,
ヨーロッパ
,
公的医療保険
,
評価療養
Keyword:
Drug Development
,
Clinical Trials as Topic
,
Europe
,
Iodine Radioisotopes
,
Japan
,
Pheochromocytoma
,
Physicians
,
Radiotherapy
,
United States
,
Neuroendocrine Tumors
,
3-Iodobenzylguanidine
,
Not-For-Profit Insurance Plans
pp.442-449
発行日 2017年4月26日
Published Date 2017/4/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2017204676
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標的アイソトープ治療は,近年,α線核種による治療や抗体を用いた治療など,新たな薬剤開発が進み,がん診療として重要な役割を担いつつある。転移性骨腫瘍や悪性リンパ腫など罹患患者数が多い疾患に対する標的アイソトープ治療薬剤は,製薬企業による臨床試験が実施され,わが国においても保険償還が進んできている。一方,標的アイソトープ治療の役割として希少疾患の治療も重要である。希少疾患を対象とした海外承認薬であるが,わが国での保険未承認薬,あるいは新規薬剤開発については,企業治験の実施が困難であるのが現状であり,保険承認を目指した治療効果・安全性などのエビデンスの構築として,医師主導治験を含めた臨床試験が重要な役割をもつ。本総説では,わが国でも1990年代から臨床応用が開始された131I標識meta-iodobenzylguanitidine(MIBG)による標的アイソトープ治療を中心として,わが国での標的アイソトープ治療の保険承認を目指した医師主導治験や,先進医療制度の役割なども含め,今後の方向性を言及していく。
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