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これだけは知っておきたい、整形外科的徒手検査法(第43回) 下肢、膝関節 Apley test
小島 岳史
1
,
帖佐 悦男
1野崎東病院 整形外科
キーワード:
感度と特異度
,
関節痛
,
半月損傷
,
外転運動
,
徒手筋力テスト
Keyword:
Tibial Meniscus Injuries
,
Sensitivity and Specificity
,
Arthralgia
pp.747-749
発行日 2019年7月19日
Published Date 2019/7/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2019311554
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1924年にBristowは,膝半月板損傷に関する大規模調査のためThe British Orthopaedic Association に委員会を立ち上げた。Bristow,Platt,Mcmurrayらは多くの半月板損傷の症例に対し詳細な徒手検 査を行ったが,10 〜30%の割合で偽陽性があったことを報告した。その偽陽性のなかには内側側副靱帯 損傷や関節包損傷が含まれると考えられるが,半月板損傷との区別は困難であったとしている。この当 時に残された問題点は,①信頼性のある半月板損傷の検査がないこと,②半月板損傷と側副靱帯や関節 包損傷の区別が困難なことであった。Apley1)はこの2つを解決することを目的として,新たな検査法を “Apley test”として提案した。内側半月板損傷診断に重点を置いた報告であり,外側半月板損傷診断には あまり言及していない。 膝関節鏡やMRI検査が普及する前は,いかに半月板損傷の診断・手術適応決定が困難であったかを 物語る原著であり,理学所見を蔑ろにMRI検査に流れてしまう現在の潮流に警鐘を鳴らしているよう である。
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