特集 凍結肩の最新の知見と治療法
凍結肩に対する鏡視下肩関節授動術(下方関節包切離派)
柴田 陽三
1
1福岡大学医学部附属筑紫病院 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節可動域
,
関節周囲炎
,
関節包解離術
,
関節授動術
Keyword:
Periarthritis
,
Shoulder Joint
,
Range of Motion, Articular
,
Joint Capsule Release
pp.1090-1097
発行日 2017年10月19日
Published Date 2017/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018015538
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はじめに
凍結肩の発生頻度は,人口当たり1 〜10%と報 告されており1)〜3),比較的よく遭遇する疼痛性肩 関節疾患である。積極的な治療を行わずとも疼痛 期,拘縮期,回復期を介して自然治癒する疾患だ といわれてきた4),5)。治療を行う場合はまず保存療 法が行われることが基本であり,発症初期は安静, 鎮痛消炎薬の投与,関節内や滑液包内への注射療 法が施行される。 急性期の疼痛が治まってくれば,徐々に愛護的 な可動域(range of motion;ROM)の改善訓練が 開始される。しかし,長年にわたって機能障害が 続くという論文が多数報告され6)〜9),自然治癒す るという概念は幻想ではないかと考えられるよう になってきた。このように凍結肩が治癒しない場 合があり,保存療法抵抗性の凍結肩に対しては, 手術療法が施行される。 本稿では,筆者が施行している関節窩全周性の 関節包切離術について述べる。
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