特集 凍結肩の最新の知見と治療法
肩関節拘縮の病態と分類
玉井 和哉
1
,
吉川 勝久
,
山口 雄史
1東都文京病院 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節周囲炎
,
拘縮
,
分類
Keyword:
Contracture
,
Classification
,
Periarthritis
,
Shoulder Joint
pp.1010-1014
発行日 2017年10月19日
Published Date 2017/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018015528
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はじめに
拘縮(contracture)とは,関節包や靱帯などの 軟部組織に原因のある関節可動域(range of motion;ROM)制限を指す。肩関節の拘縮は common diseaseである。わが国においては古く から,40 〜60歳台の人に明らかな外傷なく生じ る有痛性関節拘縮を「五十肩」とよんできたが,そ の概念は依然として曖昧である。また,凍結肩 (frozen shoulder),肩関節周囲炎(pericapsulitis of the shoulder),癒着性肩関節包炎(adhesive capsulitis)などの病名が存在するが,これらの異 同は明らかではない。今,これらを整理し,ある いは定義するときにきている。なぜならば,同じ 病名が異なる病態を指したり,逆に同じ病態を異 なる病名でよんでいたりすれば,この疾患を科学 の俎上に載せることができないからである。 なお,現在用いられている国際疾病分類(ICD- 10)の病名では,肩関節周囲炎と癒着性肩関節包 炎が同じコード(M750)に,肩関節拘縮は別のコー ド(M2451)に分類されている。「五十肩」,「凍結 肩」は採用されていない。
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