Japanese
English
Bedside Teaching
大動脈弁prolapse
Aortic valve prolapse
石川 恭三
1
,
金光 弘
1
Kyozo Ishikawa
1
,
Hiroshi Kanemitsu
1
1杏林大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Kyorin University
pp.151-157
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203927
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超音波検査法の導入とともに,僧帽弁疾患を中心とした弁膜症の診断が進歩し,非リウマチ性の僧帽弁閉鎖不全症の診断も一部可能となった。本検査法により,Flail弁,Floppy弁,僧帽弁逸脱症(Mitral valve prolapse:MVP)などの弁運動の特徴,ならびに,診断基準が明確化し,より正確な診断と適切な治療が行なわれるようになってきた。最近では、僧帽弁逸脱症患者の人工弁置換手術時の病理学的検討から,広い範囲にわたるmyxomatous degenerationの存在が確認され,それが,僧帽弁逸脱症ばかりでなく,三尖弁逸脱症(Tricuspid valve prolapse:TVP)や大動脈弁逸脱症(Aortic valve prolapse:AVP)の成因の一つと考えられるようになってきた。以前より,大動脈弁の拡張期異常運動として,後反(retroversion)2)Floppy弁運動などが論じられてきたが,最近ではこれらに加え,AVPも注目をあびてきている。
そこで,本稿では,自験例を中心にして,AVPの心エコー図上の特徴,ならびに,臨床的意義について述べていきたいと思う。
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