連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 −疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学−】
第6回
左室②(基本構造および心疾患)
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.894-903
発行日 2021年9月9日
Published Date 2021/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000655
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●左室「内腔」は,僧帽弁前尖およびその弁下組織により流入路領域と流出路領域に分けられる。
●左脚後枝・前枝は,線維組織により周辺組織と構造的・電気的に隔絶された状態で左室側心室中隔壁に沿って下行し,自由壁にある乳頭筋(群)[後内側乳頭筋(群)および前外側乳頭筋(群)]に到達する。左脚内を下行してきた電気的興奮は,乳頭筋基部でbreakthroughする。
●左室前外側乳頭筋(群)と後内側乳頭筋(群)は,心尖部自由壁方向へ延びて連絡する(myocardial bridge)。
●両乳頭筋群間をつなぐ筋肉束内には,左脚前枝と後枝をつなぐPurkinje線維と考えられる構造が存在することより,同構造は心室内刺激伝導系の一画を成すことが強く示唆される(未発表)。
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