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第28回
至適造影剤量を決定するための基礎的論文
近藤 浩史
1
1帝京大学医学部 放射線科学講座
pp.1378-1379
発行日 2024年11月26日
Published Date 2024/11/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001886
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肝dynamic CTにおける至適造影剤量を規定するための基礎となった論文である。 200人の患者に対して,造影剤量,濃度の異なる8種類のプロトコルで造影CTを撮影し,それぞれ群の最大値肝実質濃染(maximum hepatic enhancement;MHE)を求めた。他群より投与ヨード量が多い群や定性評価で良好な肝実質濃染と評価された群でのMHEは50HUを超えていた。また,投与ヨード量と患者体重で調整した最大値肝濃染(adjusted Maximum hepaticenhancement;aMHE)を算出し,それが96という定数になり,そこから求めたい肝実質濃染に必要ヨード量を逆算できるということが示されている。本論文は,至適造影剤量を決定するための基礎を理解するうえで貴重な論文である。
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