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第11回
マクロからミクロへ:腹部高精細MRイメージングの変遷と未来
伊東 克能
1
1山口大学大学院医学系研究科 放射線医学講座
pp.712-713
発行日 2023年6月26日
Published Date 2023/6/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001324
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multicoilを用いた高分解能fast spin echo(FSE)イメージングによる女性骨盤MRIの有用性ついて検討がなされた。32名に対し1.5T MRシステムでT2強調矢状断像と横断像を撮像し,body–coilを用いたFSE像と比較検討した。multicoil画像は全体的な画質とモーションアーチファクトの低減に優れていた。子宮体部および子宮頸部の層構造はmulticoil画像でより詳細に描出され,矢状面で撮影した患者の60%(20人中12人)で,CSEパルスシーケンスでこれまで報告されていない子宮頸部粘膜ひだが明瞭に描出された。卵巣構造(個々の卵胞,皮質および髄質の間質)や腟周囲静脈叢の個々の静脈も,従来のbody–coil画像よりもはるかに詳細に描出された。
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