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連載 卒後研修講座
実臨床における骨粗鬆症治療の選択肢
Therapeutic options for osteoporosis in real-world clinical practice
辻 収彦
1
O. Tsuji
1
1東邦大学医学部整形外科学講座大橋病院
1Dept. of Orthop. Surg., Toho University, Tokyo
キーワード:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
anabolic first
Keyword:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
anabolic first
pp.163-169
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei77_163
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は じ め に
骨粗鬆症とは,全身の骨強度が低下し,骨折を起こしやすくなった状態と定義される1).骨強度は「骨密度」と「骨質」の二要素から成り,一般に骨密度が約70%,骨質が約30%の寄与をするとされる.
骨密度は二重エネルギーX線吸収法(DXA)などで定量評価できるのに対し,骨質は画像や臨床経過から間接的に評価される.齋藤らはこの関係を「鉄筋コンクリート構造」にたとえて説明している.すなわち,コンクリート(骨密度)がしっかりしていても,鉄筋(骨質)が錆びていれば構造全体としての強度は保てない.逆に,強靱な鉄筋があれば,ある程度のコンクリートの劣化を補えることもある2).
骨粗鬆症はロコモティブシンドロームを構成する主要因の一つであり,骨折や脊柱変形に伴う身体機能の低下は日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)を著しく損ない,高齢者の自立を阻害する健康寿命の破綻因子の一つともいえる.整形外科医がこの疾患の本質を理解し,早期介入と最適治療選択を実践することは,今後ますます重要になるであろう.

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