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連載 卒後研修講座
脊椎疾患に間違われる内科の病気
Internal medical conditions mimicking spinal disorders
末永 賢也
1
K. Suenaga
1
1製鉄記念八幡病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Steel Memorial Yawata Hospital, Kitakyushu
キーワード:
differential diagnosis
,
spinal disorder
,
pit fall in diagnosis
Keyword:
differential diagnosis
,
spinal disorder
,
pit fall in diagnosis
pp.453-460
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_453
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は じ め に
脊椎疾患は,脊柱そのものの障害による場合,脊髄・神経根の障害によるものの場合,血流障害によるものの場合と大まかに三つに分けられる.外来診療において,患者の訴えから,まずはどこに分類されるかを考え,診察・検査へとすすんでいく.鑑別診断の最中に脊椎疾患かほかの整形外科疾患ではないかと考えることはあっても,整形外科以外の疾患が絡んでいないかと考え,診療にどれだけ当たっているであろうか.
外科医であるわれわれにとって,症状が整形外科疾患によるものであるか否かは,手術適応を間違えないうえで非常に重要なポイントである.多くは問診によって診察手技が選択され,精度の高い診断へとつながるのであるが,画像診断技術の向上から画像検査に頼りすぎる傾向があり,画像診断結果と症状,診察結果との因果関係の検討が不十分になりがちである.やはり問診で病歴を十分に把握し,しっかりとした診察を組み立てていくことが必要となる.それがまれな疾患であったり,典型的な症状が出るまでに時間がかかるような病気であったりすればなおさらである.
本稿では,基本に立ち返り診察法を述べるとともに,脊椎疾患と間違えやすい(勘違いしやすい)内科の病気について解説する.

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