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Wassel分類Ⅱ型・Ⅲ型母指多指症における術後の偏位
-――73指の後ろ向き解析
Postoperative deviation in Wassel types Ⅱ and Ⅲ radial polydactyly:a retrospective analysis of 73 thumbs
稲葉 尚人
1
,
高木 岳彦
2
,
関 敦仁
2
,
髙山 真一郎
3
N. Inaba
1
,
T. Takagi
2
,
A. Seki
2
,
S. Takayama
3
1富士病院整形外科
2国立成育医療研究センター整形外科
3島田療育センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Fuji Hospital, Gotemba
キーワード:
radial polydactyly
,
Wassel types Ⅱ and Ⅲ
,
postoperative deviation
Keyword:
radial polydactyly
,
Wassel types Ⅱ and Ⅲ
,
postoperative deviation
pp.381-384
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_381
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【要 旨】
目 的:本研究は,Wassel分類Ⅱ型・Ⅲ型母指多指症における骨軟骨安定性と術後の指節間(IP)関節偏位との関連を検討することを目的とした.
対象および方法:当科で手術した母指多指症Wassel分類Ⅱ型・Ⅲ型73例を対象とした.橈側母指の末節骨基節骨間に軟骨性癒合のある症例をⅡB型とし,癒合のない症例をⅡA型とした.従来手技では,基節骨頭の橈側軟骨を定型的に切除したのに対し,修正手技では術後の橈屈偏位を防止するために軟骨を温存した.
結 果:ⅡA型では両手技間でIP関節偏位に有意差はなかったが,ⅡB型・Ⅲ型では,従来手技群(19°±16°)に比べ,修正手技群(0.8°±4.9°)で関節偏位が有意に少なかった.
結 論:特にⅡB型・Ⅲ型母指多指症の手術では,骨軟骨の安定性を維持するため,過度な軟骨切除を避けることが望ましいと考えられた.

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