Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨腫瘍に対する手術療法
Surgical treatment for proximal femoral bone tumors
伴 祥高
1
,
星 学
1
,
青野 勝成
1
,
寺井 秀富
2
Y. Ban
1
,
M. Hoshi
1
,
M. Aono
1
,
H. Terai
2
1大阪市立総合医療センター整形外科
2大阪公立大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka City General Hospital, Osaka
キーワード:
femoral bone tumor
,
artificial bone
,
internal fixation
,
surgical approach
,
weight-bearing
Keyword:
femoral bone tumor
,
artificial bone
,
internal fixation
,
surgical approach
,
weight-bearing
pp.1191-1195
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1191
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は じ め に
大腿骨近位部に発生する骨腫瘍は,四肢長管骨に発生した骨腫瘍の中でもっとも多く,全国骨軟部腫瘍登録(2021年)によると原発性骨腫瘍の中で年間438例1)と最多である.そのため,良/悪性を問わず臨床で比較的頻繁に遭遇する疾患である.線維性骨異形成症(fibrous dysplasia:FD),骨巨細胞腫(giant cell tumor:GCT),単純性骨嚢腫(solitary bone cyst:SBC),動脈瘤様骨嚢腫(aneurysmal bone cyst:ABC)などの組織型が多く,臨床症状として疼痛,跛行,脚長差などを認めることがある.たいていの場合,これらの骨腫瘍は緩徐に成長し,症状に出ることは少ないために保存療法が第一選択となる.しかし,顕著な骨破壊を伴う骨腫瘍径が大きい腫瘍(特にGCT)では病的骨折を起こすリスクが高く,手術療法が必要となることがある2).しかし,手術療法に関する体系的な報告は数少なく,骨・軟部腫瘍医の経験と施設間での治療体制などに大きく依存している現状である.本研究では,大腿骨近位部に発生した骨腫瘍に対する手術療法について後方視的に検討を行った.

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