整形トピックス
シルクフィブロインを用いた新規癒着防止材の開発
林 裕紀
1
,
河野 友祐
1
1藤田医科大学整形外科
pp.1132-1132
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1132
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術後の癒着形成は術後合併症の一つであり,整形外科手術では腱や硬膜,末梢神経などの周囲に形成される.術後の関節可動域制限や疼痛,神経障害の原因となり,時に患者の生活の質(QOL)を大きく損なう.また,癒着は再手術時の手術操作を困難にし,神経血管損傷など手術合併症の原因にもなる.橈骨遠位端骨折では術直後から手指運動を励行するも,抜釘時には屈筋群や方形回内筋の間に強固に癒着がみられるケースも散見される.リハビリテーションの進歩にもかかわらず,屈筋腱断裂の修復後の30~40%に機能障害の原因となる癒着が発生し1),術後成績はまだまだ十分ではない.
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