外反母趾に対する一時的鋼線固定を併用したMitchell変法の経験

Experience of the modified Mitchell procedure combined with temporary Kirschner wire fixation for hallux valgus

は じ め に

　外反母趾の手術手技は非常に多く存在するが，近年では低侵襲であるdistal lineal metatarsal osteotomy（DLMO）法などの経皮的骨切り術の報告が多い^1～3）．しかし，DLMO法では仮固定材料のKirschner鋼線（K-wire）を骨癒合前に抜去するために抜去後の矯正損失を生ずる危険性が報告された^1,2）．

　われわれは，骨切り部の段差による矯正損失防止を期待してMitchell変法を選択し，1.5mmのK-wire 2本による一時的固定を行ってきた．また，K-wireの自然抜去を予防するためにK-wireの先端をneedle counterに通して爪に固定する工夫も加えたので，その手術手技および臨床成績を報告する．