私論
バランス
大橋 正幸
1
1新潟大学整形外科准教授
pp.1092-1092
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1092
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2003年に医学部を卒業し,整形外科医として歩み始めて早22年.多くの尊敬すべき指導者,同僚,後輩に恵まれ,現在は大学病院で脊椎脊髄外科を専門とし,難症例の手術や臨床・基礎研究に,有能な仲間たちと取り組む機会を得ている.そんな日々の中,若かりし頃に指導医からいただいた言葉が,今になって胸に響く場面が増えている.その一つが「バランス」である.私を脊椎脊髄外科の道に導いてくださったその上司は,外傷手術を中心に多くの執刀経験を重ねるにつれて自分本位になりがちだった私に対して,「バランスのとれた医師・人間になりなさい」と繰り返し諭してくださった.当時は「周囲に気を配れ」という程度にしか受けとっていなかったが,今ではさまざまな場面でその言葉の重みを実感している.
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