連載 What’s new by subspecialty
What’s New in Spine Surgery
-――脊椎外科の最新知識
中島 宏彰
1
,
今釜 史郎
1
1名古屋大学整形外科
キーワード:
spinal surgery
,
minimally invasive surgery
,
navigation
Keyword:
spinal surgery
,
minimally invasive surgery
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pp.937-945
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_937
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は じ め に
脊椎手術はインプラントの材料工学的発展と画像技術の発展とともに進化している.1962年にHarringtonロッドが報告され,1963年にRoy-Camilleによって椎弓根スクリューの使用が報告されて以降,さまざまな脊椎インプラントが報告されてきた.1990年代に入ると,腰椎椎体間ケージが使用され,腰椎固定術の成績が飛躍的に向上した.また,2001年に経皮的椎弓根スクリュー,2013年に側方経路腰椎椎体間固定術(lateral lumbar interbody fusion:LLIF)が登場し,本格的な脊椎低侵襲固定術が可能となった.ナビゲーション技術も1996年の術前CTに基づくナビゲーションから,2009年の360°回転型3D–CT,2021年のロボット脊椎手術承認と大きな発展を遂げており,潜在的な神経血管損傷の危険性をもつ脊椎手術において,より安全で効果的な治療が可能となってきた.本稿では,近年の脊椎外科領域における新たな医療技術について概説する.
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