Japanese
English
経験と考察
第5腰神経根障害による仙骨部痛
-――L5仙骨部痛
Sacral pain caused by the fifth lumbar radiculopathy
小島 利協
1
,
八十田 貴久
2
,
中村 光孝
2
,
景山 元成
2
T. Kojima
1
,
T. Yasoda
2
,
M. Nakamura
2
,
M. Kageyama
2
1磯子中央病院整形外科
2磯子整形外科研究会
1Dept. of Orthop. Surg., Isogo Central Hospital, Yokohama
キーワード:
L5 sacral pain
,
extra foraminal stenosis
,
radiculography and block
Keyword:
L5 sacral pain
,
extra foraminal stenosis
,
radiculography and block
pp.709-715
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_709
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は じ め に
L5神経根障害による臨床症状は殿部~下肢後面の痛み・しびれ,足部~母趾のしびれ,足関節背屈障害などが知られている.L5神経根障害の原因にはL4/L5高位での脊柱管内ヘルニア・外側陥凹狭窄,L5/S1高位での外側ヘルニア・椎間孔狭窄,L5分離症・分離すべり症,上方・下方へ遊離脱出したL5椎間孔内ヘルニアなどのほかに,MRIで脊柱管狭窄・椎間孔狭窄所見のないL5椎間孔外狭窄症(far-out syndrome)がある.
L5神経根障害による仙骨部痛は過去に報告がなく,殿部痛や下肢症状を伴わない仙骨部痛のみの臨床症状でL5神経根障害と診断されることはない.脊柱管狭窄や椎間孔狭窄による仙骨部痛も存在するが,殿部痛や下肢症状が強い場合には仙骨部痛を明確にとらえにくく,L5神経根狭窄所見が明らかであれば,その治療により仙骨部痛は改善する.本編では,MRIで神経根狭窄所見のないL5椎間孔外狭窄による仙骨部痛をL5仙骨部痛とした.
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