Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
骨粗鬆症治療薬であるゾレドロン酸[ZOL,年1回の点滴静注ビスホスホネート(BP)]の効果として,① 閉経後骨粗鬆症患者において,椎体・非椎体・大腿骨近位部骨折を抑制すること,② 男性骨粗鬆症患者において,椎体骨折を抑制すること,③ 大腿骨近位部骨折患者において,臨床骨折を抑制し,死亡率を低下させることが報告されている1,2).これらのエビデンスから,ZOLは骨粗鬆症患者に広く使われている.
ZOL投与時には,その安全性について注視する必要がある.添付文書にはZOLに対する警告について,急性腎障害を起こすことがあるため,① 各投与前には腎機能,脱水状態(高熱,高度な下痢および嘔吐など)および併用薬(腎毒性を有する薬剤,利尿薬)について十分に確認し,本剤投与の適否を判断すること,② 投与時には必ず15分間以上かけて点滴静脈内投与すること,③ 急性腎障害の発現は主に投与後早期に認められているため,腎機能検査を行うなど,患者の状態を十分に観察することなどが記載されている.また,ZOLに対する主な禁忌として,閉経後・高齢骨粗鬆症患者では,重度の腎機能障害のある患者,脱水状態にある患者,低カルシウム(Ca)血症の患者などがあげられている.さらにわが国における臨床試験(ZONE study)によると,ZOL投与後3日以内に発熱(33.0%),関節痛(9.9%),筋肉痛(6.6%),インフルエンザ様疾患(6.3%),倦怠感(5.1%),頭痛(4.8%),悪寒(3.9%)などの急性期反応(acute phase reaction:APR)がみられることも報告されている3).
われわれの施設では,骨粗鬆症リエゾンサービス(osteoporosis liaison service:OLS)の一環として,メディカルスタッフが骨粗鬆症学会認定医と協働して栄養指導,運動指導,薬物療法継続の支援を行っている.本稿では,看護師(骨粗鬆症マネージャー)の立場からZOL投与患者における早期副作用の調査を行い,その対策について検討し,OLSにかかわる看護師が行うべき確認と患者指導について考察する.
© Nankodo Co., Ltd., 2024