骨関節疾患を併発する皮膚病変 -――乾癬，掌蹠膿疱症

は じ め に

　乾癬および掌蹠膿疱症（palmoplantar pustulosis：PPP）は，ともに皮疹と骨関節症状を合併しうる炎症性皮膚疾患である．乾癬に末梢関節炎，体軸関節炎および付着部炎を伴う場合は乾癬性関節炎（psoriatic arthritis：PsA）に，PPPの皮疹に骨関節炎を伴う場合は掌蹠膿疱症性骨関節炎（pustulotic arthro-osteitis：PAO）に診断される．PsA，PAO患者の中には，複数の科を受診しているにもかかわらず，皮疹と骨関節症状が同一疾患による症状と認識されずに骨関節症状が進行してしまうケースが散見される．

　本稿ではPsAとPAOの早期発見・早期診断に有用な臨床的特徴を整理し，皮膚科へ連携すべきポイントについて考えていきたい．また，皮膚科での診療の実際について併せて概説する．