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骨・軟部腫瘍のがんクリニカルシークエンス
長谷川 延彦
1
1順天堂大学整形外科
pp.68-68
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_68
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クリニカルシークンス(CS)とは,次世代シークエンサー(next generation sequencer:NGS)を用いて,患者個々の疾患関連遺伝子情報を網羅的に解析し,検出された遺伝子異常の結果を臨床エビデンス,分子標的薬との適合性と照らし合わせ,疾患の診断や治療方針の決定を行う検査方法である.NGSの普及に伴い,100を超えるがん関連遺伝子の体細胞変異,染色体再構成,ゲノム量異常などの網羅的な遺伝子解析を低コストかつ短時間で行うことが可能となった.2019年より保険適用となり,国内保険収載パネルとしてFundationOne CDx(中外製薬)とOncoGuide(NCCオンコパネルシステム)[シスメックス]が臨床現場で使用されている.遺伝子異常解析に基づき治療の層別化がすすみ,特に肺がんにおいては,EGFR変異やALK,ROS1,RET融合遺伝子などを治療標的とした奏効性の高いtyrosine kinase(TK)阻害薬開発により治療成績はめざましく改善した1).
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