人工骨頭挿入術後に真菌を起因菌としたインプラント周囲感染を発症した1例

Fungal prosthetic joint infection after bipolar hip arthroplasty：report of a case

　真菌による股関節インプラント周囲感染は細菌感染と比較してまれであるが，治療が困難であることが知られている．真菌による股関節インプラント周囲感染治療のゴールドスタンダードは感染を制圧したうえでの二期的再置換であるが，抗真菌薬の全身投与だけでは局所感染を制圧するには不十分な症例がある^1）．また近年では，股関節インプラント周囲細菌感染に対して抗菌薬含有のセメントスペーサーや局所高濃度抗菌薬灌流療法（iSAP/iMAP）を併用した治療が行われている^2～4）．一方で，真菌感染に対して抗真菌薬の局所投与を行った症例報告は限られている^4,5）．