Japanese
English
臨床室
近位指節間関節屈曲防止装具を使用し症状が改善した屈筋腱狭窄性腱鞘炎の1例
Efficacy of proximal interphalangeal joint blocking orthosis for flexor tendon stenosis tenosynovitis:report of a case
林 弘樹
1,2
,
西本 亮
1
,
矢田 翔馬
1
,
池本 吉一
3
,
金子 翔拓
4
H. Hayashi
1,2
,
R. Nishimoto
1
,
S. Yata
1
,
Y. Ikemoto
3
,
S. Kaneko
4
1篠路整形外科リハビリテーション科
2北海道文教大学大学院リハビリテーション科
3篠路整形外科
4北海道文教大学医療保健科学部リハビリテーション学科
1Dept. of Rehabilitation, Shinoro Orthopedic, Sapporo
キーワード:
trigger finger
,
tenosynovitis
,
orthosis
Keyword:
trigger finger
,
tenosynovitis
,
orthosis
pp.1081-1083
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1081
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屈筋腱狭窄性腱鞘炎(ばね指)は指の弾発を主症状とする機械的腱鞘炎であり,上肢の代表的な使いすぎ症候群の一つである.40~50歳代の女性に多く発症し,全人口における有病率は2.6%である1)が,糖尿病患者では10%とされている2).示指・小指と比較し,母指・中指・環指に多く発症する3).
病態は,指屈筋腱と腱鞘(多くはA1プーリー部)間の摩擦により生じる機械的炎症である.繰り返される摩擦により腱鞘の肥厚と狭小化および屈筋腱の肥厚が起こり,腱腫瘤が腱鞘内を自由に滑走できなくなるため,指の自動屈曲が困難となる.これらの結果として生じるのが弾発現象(snapping)である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023