誌説
腰痛の世界的な疾病負担
八木 満
1
1国際医療福祉大学整形外科主任教授
pp.1060-1060
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1060
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GBD 2015 DALYs and HALE CollaboratorsによりLancet誌に掲載された論文によれば,1990年以降,腰痛は,あらゆる年齢層や社会経済的背景を持つ人々において世界的に最も重要な公衆衛生上の懸念事項となっています.また,他の運動器疾患も軒並み上位に位置付けられています(頚部痛6位,他の運動器疾患7位,転落11位,変形性関節症12位).特に本邦にみられるように人口の高齢化と世界人口の増加が主な原因となり,世界における腰痛の疾病負担は増悪していると報告されています.腰痛の有病率は,先進国では60~70%と推定され,低・中所得国では,1990年以降,腰痛を抱えながら生活する年数が50%以上増加しており,有病率は今後も増加すると予測されています.
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