今日の問題点
日本における慢性腰痛の患者負担増大
小川 敬
1
,
Vietri Jeffrey
,
Montgomery William
,
Shi Jing
,
苅安 佐和子
,
Alev Levent
,
中村 雅也
1日本イーライリリー
キーワード:
生活の質
,
日常生活活動
,
不安症
,
腰痛
,
労働
,
ロジスティックモデル
,
疾病による損失
,
保健医療資源
,
作業効率
,
抑うつ
,
傾向スコア
,
慢性疼痛
,
SF-36
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Anxiety Disorders
,
Depression
,
Efficiency
,
Health Resources
,
Quality of Life
,
Work
,
Logistic Models
,
Cost of Illness
,
Low Back Pain
,
Propensity Score
,
Chronic Pain
pp.352-358
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272423
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日本人成人において、慢性腰痛が健康関連QOL、不安および抑うつ症状、労働生産性、日常生活障害および医療資源利用に及ぼす影響を検討した。日本版National Health and Wellness Surveyの登録者のうち、慢性腰痛を呈する290例(男172例・女118例・平均55.60±14.58歳)、疼痛のない25427例(男12888例・女12539例・平均47.25±15.86歳)を対象とした。マッチングなし比較では、慢性腰痛群は測定した大半の項目が疼痛なし群(対照群)と比較して不良であり、労働および日常活動は有意に障害を受けていた。マッチング済み比較では、労働時間損失を除くすべての項目に関して両群間で有意差を認め、慢性頭痛群で不良であった。また、マッチングなし比較の場合と同様に、慢性疼痛群では医療機関受診がより高頻度であった。以上、慢性腰痛群ではQOLの低下、労働生産性の低下、日常生活障害、不安および抑うつ症状の増加、医療資源利用の増大が認められ、身体的・精神的側面に顕著な影響を及ぼすことが示された。
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