Japanese
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連載 専門医のための症例問題トレーニング
膝・足関節・足疾患
Disorders of the knee, ankle and foot
嶋 洋明
1
H. Shima
1
1大阪医科薬科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Medical and Pharmaceutical University Hospital, Takatsuki
キーワード:
tarsal tunnel
,
tibial nerve
,
peripheral nerve
Keyword:
tarsal tunnel
,
tibial nerve
,
peripheral nerve
pp.805-811
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_805
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症 例.44歳,女.
主 訴:左足底のしびれおよび疼痛.
家族歴:特記すべきことはない.
既往歴:うつ病.
現病歴:2年前に特に誘因なく左足関節後内側に腫瘤を自覚した.以後,腫瘤は徐々に増大し,足底にしびれと疼痛が出現するため当科を紹介され受診した.
初診時所見:後足部は両側とも10°外反位を呈していた.左足関節内果の後下方に2cm大で弾性軟の腫瘤を触知した(図1).同部にTinel徴候を認め,足底内側に放散痛を生じた.足底内側は1/10程度の,足底外側は3/10程度の知覚低下を認めた.徒手筋力検査では足関節の背屈および底屈は両側ともに5と保たれていた.荷重位足関節正面および側面像(図2)で足関節の関節裂隙は保たれており,腫瘤のある後内側部に石灰沈着などは認めなかった.腰椎MRIでは腰椎椎間板ヘルニアや椎間孔の明らかな狭窄は認めなかった.母趾および足趾の内・外転運動の様子(図3),左足関節MRI(図4),脛骨神経伝導検査結果(図5)をそれぞれ示す.
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