整形トピックス
骨軟部肉腫の発症と腫瘍の特性を規定する融合遺伝子の役割
田中 美和
1
,
中村 卓郎
1
1がん研究会がん研究所発がん研究部
pp.50-50
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_50
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骨軟部肉腫でみられる染色体転座や遺伝子異常は,発がんや悪性化に重要な役割を有する.中でも染色体転座は骨軟部肉腫の30~40%で認められ,原因遺伝子と考えられる数多くの融合遺伝子が同定されている.骨軟部肉腫で認められる融合遺伝子は,一般に疾患特異性が高く片方の遺伝子がかわるとまったく異なった組織型に対応する.融合遺伝子を有する肉腫は,しばしば小児~若年成人に発症し,融合遺伝子以外の遺伝子異常の頻度はきわめて低い特徴を示す.
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