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下肢長管骨骨欠損に対するβ型リン酸三カルシウムを使用したinduced membrane techniqueによる再建術の臨床的・放射線学的評価
Clinical and radiological assessment of the induced membrane technique using beta-tricalcium phosphate in reconstructive surgery for lower extremity long bone defects
佐々木 源
1
,
渡部 欣忍
1
,
安井 洋一
1
,
西澤 真理
1
,
坂 なつみ
1
,
河野 博隆
1
,
宮本 亘
1
G. Sasaki
1
,
Y. Watanabe
1
,
Y. Yasui
1
,
M. Nishizawa
1
,
N. Saka
1
,
H. Kawano
1
,
W. Miyamoto
1
1帝京大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Teikyo University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
induced membrane technique
,
bone defect
,
β-tricalcium phosphate
Keyword:
induced membrane technique
,
bone defect
,
β-tricalcium phosphate
pp.1211-1216
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1211
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【要 旨】
目 的:β型リン酸三カルシウム(β-TCP)を使用したinduced membrane technique(IMT)による骨欠損の再建法の有効性について,臨床的,放射線学的評価を行い,骨欠損の大きさと部位が手術成績に及ぼす影響を明らかにすることである.
対象および方法:2014~2018年にβ-TCPを使用したIMTの治療を行った,中央値46歳の下肢35(男性30,女性5)肢の診療録を調査した.患者中心アウトカムのために術前と最終診察時のlower extremity functional score(LEFS)を聴取した.骨癒合はX線学的に評価し,第2ステージから骨癒合までの期間を調査した.患者は,骨欠損の大きさ別に50mm以上の群と50mm未満の群に分け,部位別に大腿骨再建群,脛骨再建群,足関節固定群に分けた.
結 果:大腿骨10例,脛骨25例であった.中央値LEFSは,術前8点から最終診察時63.5点に改善した(p値<0.001).全例で骨癒合が得られ,第2ステージから骨癒合までの期間は中央値で6ヵ月であった.骨癒合までの期間,術前LEFS,最終診察時LEFSは,骨欠損の大きさや骨欠損部位によって有意差はなかった.
結 論:β-TCPを使用したIMTは,下肢骨欠損例において臨床的にも放射線学的にも満足な結果を得られた.手術成績は,骨欠損の大きさや手術部位に影響されなかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2022