誌説
どうする? 血液サラサラ患者に整形外科手術
酒井 紀典
1
1徳島大学大学院地域運動器・スポーツ医学分野(整形外科)特任教授
pp.832-832
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_832
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もう20年ほど前の話ですが,私には体重100kgを超える祖母がいました.不整脈持ちであったためペースメーカーを留置しており,いわゆる「血液をサラサラにするお薬」を内服していました.あるとき,理由は忘れましたが突然下血し病院に搬送され,当然のことですが,まず「血液をサラサラにするお薬」を中止することになりました.下血はなんとか治まりましたが,その後,両脚が腫れてきました.深部静脈血栓症(DVT)の発症です.フィルターを留置し,また「血液をサラサラにするお薬」を再開し,自宅退院しました.数ヵ月後,下血が再発しました.このとき,まだ若手整形外科医であった私自身も救急隊と一緒に祖母を運び,救急車に同伴しながら,「一体どうなんねん?」と感じたことを覚えています.
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