特集 血液培養 &グラム染色 に恋せよ
血液培養編
血液培養の結果を患者にどう活かすか
明神 翔太
1
1国立成育医療研究センター 感染症科
pp.36-39
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024010007
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はじめに
血液培養は,ほかの検査では感染臓器の確定が困難な場合でも血液培養の結果から感染 臓器を推定することができる点や,血液培養陽性の際に治療の見直しができる点,血液培 養の結果から原因微生物が判明し治療期間を決定できる点などから,非常に強力で有用な 検査である.このため血液培養の結果が判明した場合,その結果に応じて患者に介入を要 するかどうかを判断しなければならない. 感染症診療においては感染臓器・微生物・抗微生物薬からなる三角を常に意識する.背 景として患者の年齢や基礎疾患を考慮する.三角のうち,感染臓器・微生物が決まれば抗 微生物薬は自ずと決まる.血液培養が陽性となり真の菌血症と判断した場合は,原因微生 物に関する情報が得られることになる.一方で,菌血症の診断にはなるが感染症診療の三 角における感染臓器の証明はならない.このため血液培養が陽性となった原因となる感染 臓器の追及が非常に重要となる. 血液培養が陽性となった際の考え方は,患者の年齢によらず感染症診療の原則として共 通している.このため本稿では血液培養が陽性と判明した際の考え方を総論的にまとめ, 具体的な治療方法・抗菌薬選択などの詳細に関しては成書に譲ることとする.
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