連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
吉川 泰司
1
1昭和大学整形外科講師
pp.471-472
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_471
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Question
症 例.32歳,女.
主 訴:左股関節痛.
家族歴:特記すべきことはない.
既往歴:特記すべきことはない.
飲酒歴:機会飲酒程度.
現病歴:約3ヵ月前から特に外傷歴なく徐々に左股関節痛が出現した.主に荷重時の疼痛が強く歩行が困難になった.近医整形外科を受診し単純X線像では異常を認めず,股関節炎の診断により消炎鎮痛薬の内服治療が行われた.しかしながら徐々に疼痛が悪化し,安静時痛も出現したため当院整形外科に紹介され初診となった.
ステロイド使用歴:なし.
身体所見:右股関節は可動域制限なし.左股関節は屈曲70°,伸展−5°,外転10°,内転5°の可動域制限を認めた.左股関節は運動時痛が強く,スカルパ三角部に圧痛があった.下肢回旋時に股関節痛が誘発された.局所の腫脹,発赤,熱感は認めなかった.
血液検査所見:白血球9,200/μl,C反応性蛋白(CRP)0.2mg/dl,赤沈(ESR)11mm/時,リウマトイド因子(RF)<7.0IU/ml.
その他特記すべき異常値はなかった.
X線所見:初診時両股関節単純X線正面像を示す(図1).
© Nankodo Co., Ltd., 2021