Japanese
English
連載 革新的技術がもたらす小児運動器難病の新展開――基礎から臨床へ
骨 腫 瘍
-――骨端線温存術
Bone tumor:preservation of the epiphyseal plate
林 克洋
1
,
土屋 弘行
1
K. Hayashi
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
growth plate
,
epiphyseal plate
,
osteosarcoma
,
solitary bone cyst
,
chondroblastoma
Keyword:
growth plate
,
epiphyseal plate
,
osteosarcoma
,
solitary bone cyst
,
chondroblastoma
pp.1283-1288
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1283
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は じ め に
骨腫瘍の発生は骨幹端部が圧倒的に多く,小児骨腫瘍の治療には骨端線,成長障害の問題が常にかかわる.ひとたび骨端線障害を起こすと,下肢では脚長差やアライメントの問題が深刻になり,仮骨延長術などの脚長補正,変形矯正が追加で必要となることもある.腫瘍用人工関節の場合は,成長に伴い延長操作のできるものもあるが,頻回操作による患者負担や延長距離の制限などの問題がある.腫瘍が明らかに骨端線を侵食している症例で骨端線を再生させることは現在の医学ではむずかしいが,腫瘍がぎりぎり骨端線の手前の症例では,さまざまな方法を駆使して骨端線を温存する方向で治療を行っている.本稿では,良性腫瘍,悪性腫瘍の骨端線温存について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021