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生物学的製剤やアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)の使用割合の増加により,現在では多くの関節リウマチ(RA)患者で寛解導入が可能となった.経時的な経過観察においてMTXや生物学的製剤の使用割合が増加し,それに伴い寛解導入の割合が増加し,中等度や高疾患活動性のRA患者の割合が低下していることが報告されている1).近年beyond remissionが考慮され,生物学的製剤・抗リウマチ薬の減量・中止が試みられている.しかしながら,治療継続をしても寛解継続率は100%を維持できるわけではなく,Reduction of Therapy in Patients with Rheumatoid Arthritis in Ongoing Remission(RETRO)study2)やA Prospective, Randomized Etanercept Study to Evaluate Reduced dose Etanercept+MTXv. full dose Etanercept+MTXv. MTX alone for efficacy and radiographic endpoints in a moderate RA population(PRESERVE)study3)の報告でも20%弱の患者は症状再燃をきたしている.生物学的製剤が中止にいたる理由として一次無効,partial response,二次無効,合併症に伴う中止があるが,合併症に比べて無効例は切り替え治療の効果が少ないことや切り替え回数が多くなるほど,その治療効果・継続率が低下することが知られている4,5).
生物学的製剤多剤無効であったRA患者でMTX併用下にJanus kinase(JAK)阻害薬であるトファシチニブクエン酸塩(TOF)に切り替えて治療効果が得られた1例について報告する.
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