Vocabulary
生体電気インピーダンス法
田中 智史
1,2
,
金村 徳相
1
,
長谷川 幸治
3
,
今釜 史郎
2
1江南厚生病院整形外科
2名古屋大学整形外科
3関西福祉科学大学リハビリテーション学科
pp.1182-1182
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1182
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生体は細胞と細胞外液で構成されており,脂質二重層でできた細胞膜は交流電流が通電すると細胞膜内外が荷電されるため電気的にコンデンサーの役割をはたすと考えることができる.すると,生体はコンデンサーである細胞膜と導電体である体液(細胞内液,細胞外液)が組み合わさった電気回路とみなすことができる.したがって,生体に微弱な交流電流を流すと,筋肉のように水分や電解質を多く含む組織は通過しやすく,脂肪はほとんど通過しないという特性を示す.この生体の電気抵抗値であるインピーダンスを測定し,体組成を推定する方法が生体電気インピーダンス法(bioelectrical impedance analysis:BIA)である.たとえば筋肉量を測定する場合,筋肉組織はその太さ(断面積)によってインピーダンスが異なっており,断面積が大きいほどインピーダンスは低く,断面積が小さいほどインピーダンスは高い.したがって,BIAで測定したインピーダンスから推定される筋肉組織の断面積と,身長から推定される筋肉組織の長さを求めることで筋肉量を算出している.
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