今月の主題 生体電気インピーダンス
技術解説
肺インピーダンス
川上 憲司
1
Kenji KAWAKAMI
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学教室
pp.390-400
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911520
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肺は胸部というタイトなボックスの中に収納され,また心筋のようにみずから起電力を持たないため,複雑な機能を持っているにもかかわらず,その機能情報の採取は口腔部あるいは末梢血において行われている.したがって,その内容は局所的な情報に乏しく,いわば全肺の平均化された出力であり,また測定手段の点からも連続的なデータ採取には不向きであった.
インピーダンス測定による肺機能検査は,病室,ベッドサイドで簡便に,全肺のみならず局所の換気機能を把握でき,また胸郭内水分量の変化や,肺循環に関する情報をも含んでいる.このような利点を生かして,ICU,RCUにおける呼吸モニターとしても急速に普及しつつある.
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